「スターウォーズ ローグワン」を観た感想。


■ストーリー

スターウォーズエピソード4の前日譚。
反乱軍のはみ出し者達が、最終兵器デススターの設計図を盗み出す作戦を描いた作品。
登場人物はデススター設計者の娘、暗殺部隊とそのリーダー、反乱軍用に再プログラムされた元帝国軍のアンドロイド、盲目の僧兵、凄腕のガンマン、帝国軍から脱走したパイロットと、キャラの濃い連中ばかり。
そんな連中が葛藤しながら人知れぬ大活躍をする話。

※この先ネタバレを含みます。作品を鑑賞してから読むことをお勧めします

▪️感想

ジェダイではない一般兵士が、ストームトルーパーと戦うとどうなるかよくわかる作品。
いつものスターウォーズと違って安心して見ていられない。なぜなら下手すりゃ射たれるから。
普段、雑魚として描かれるストームトルーパーにハラハラさせられ続けるという新しい体験ができる。
個人的にはスターウォーズというより戦争映画を見ている感覚に近かった。
銃弾の嵐の中通信ケーブルを引回すシーンとか、死を覚悟して通信設備のスイッチを入れるシーンとか、死んだ相棒の意思を引き継いで1人敵に向かって行くシーンとか、バンバン主要人物が死んで行くので、後半は特に戦争映画っぽい。
衣装と舞台を第二次大戦にしても遜色ないと思う。
ナチスドイツの大量破壊兵器を破壊するため、精鋭部隊とは名ばかりのはみ出し者の寄せ集め部隊20名で敵基地へ潜入せよ。みたいな。

で、映画の出来はというと凄く面白かった

魅力的な登場人物の人間ドラマが丁寧で感情移入させられ、それを戦闘シーンや潜入シーンのスリルや、味方の援軍が来てからのド派手な空中戦や撃ち合いが盛り上げてくれるので気づいたら手に汗握っているのだ。

今作は『希望のバトンリレー』をテーマとして描いていると思う。
登場人物それぞれがそれぞれに活躍をして希望のバトンを繋ぎ、達成不可能なミッションを成功に導いて行く。
バトンを渡し終えた者はそこで自分の物語を終え、舞台から去って行く演出はずるい。
死に物狂いでバトンを繋いで、死んでまで仲間から繋がれたこのバトンを、絶対に次の仲間に繋がなくてはという緊迫感がバトンタッチの度に二次関数のように跳ね上がっていき、畳み掛けるように盛り上がって行くのだ。
魅入らないわけがないだろうがぁあ!
そしてそんなハラハラの裏で、別のハラハラも影を増して行くのだ。
「あれ?バトンを繋いだ人は100%死んでいるよな。ん?主人公はこの先どうなるんだ……?」と。
そして最後、二種類のハラハラが最高潮に達した後、我々を待っているのは……

エピソード4の前日譚として描かれている本作だがラストには、お馴染みのキャラクター達も登場してくるのでスターウォーズファンは感涙ものだろう。
個人的には一般兵に感情移入してしまった今、袋小路でダースベイダーに追い詰められた反乱軍の絶望感がヒシヒシと伝わって来ました。
そういえば、設計図のデータを渡した兵士もそこで死んだのか。彼もバトンタッチを繋いだ1人だったのだ。

と、様々な名もなき兵士達の命をかけたバトンリレーの末に本編の主人公達ルークスカイウォーカーに繋がれていった訳で、今作はスターウォーズの世界をより肉厚にしたファン大喜びの傑作でした。
この後エピソード4見たら、絶対みえかたが全然違うのでしょうね。

という訳で、アマゾンビデオでレンタルが増えるんじゃないかと考えている12月31日am1:54分。
皆さま良いお年を。
来年も楽しい素敵な一年でありますよう。

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